経営財務コース – 松本佳明さん

松本佳明さん

森永ビジネスパートナー株式会社勤務

 「高卒では、就職しない方がいい。それが、お前の為だ。」
 高校3年の冬、就職活動中の私にそう兄は言いました。言葉の真意は良くわかりませんでしたが、短期大学を卒業し、地元の企業で働いている兄からのアドバイスがCPAに入学する最初のきっかけになったのです。その後、高校で出会った簿記の知識を広げるため入学を決めたのですが、CPAでの2年間は、今の私にとって、かけがえのない経験になりました。専門学校を卒業し、社会人になった今でも仕事の前や後に会計の勉強を続けていますが、この一つの物事をやり続ける継続力はCPAの学びから育まれました。簿記の知識を広げたいという思いで入学しましたが、正直言うと、簿記という学問は大嫌いでした。長時間椅子に座り、電卓をポチポチと叩く行為がとても地味で、体を動かすのが好きな私にとっては、とても退屈だったからです。しかし、大嫌いな簿記をここまで継続できたのはCPAの学習方法にあります。今までの学習方法は、解き方や教科書の内容を暗記させる退屈な方法でしたが、CPAではそもそも教科書というものがありません。講義中の先生の言葉から、 自分が必要だと思う箇所をノートに書き、自分だけのオリジナル教科書を作成します。そのため、内容を暗記するという辛い作業が無くなり、学びの楽しさだけを実感できます。また、自ら考えてノートに書いていくため、一つ一つの問題に対して、自分の考え方を持つことができます。そして教科書が完成する頃には、一般的な教科書は単に人の意見で、自分の考え方を持つことの大切さに気付くことができるのです。こうして2年間の学びを終え、卒業後の現在は森永製菓グループのシェアードサービス会社で債権管理を行なっています。 直接的に簿記の知識を活かす場は少ないですが、目的志向や自ら考えて行動するというCPAの学びから培った経験が活きています。これから社会に出る皆さん、現代社会ではAI技術が急速的に発展し、人間が行う業務が縮小しています。そうした世の中で仕事を勝ち取るには、暗記の学習に頼るのではなく、自ら考えて学び、試験は自身の力を試す手段にしてください。「自ら考えて学ぶこと」これは、AIが一番苦手とする事です。将来の予想が困難な時代だからこそ、自ら考えて行動できる人財が必要とされると思います。資格も大事ですが、CPAでの簿記の学びを通して、人間力を高めていってください。そして、それを良い習慣にしていってください。