柴岡愛美さん
税理士法人K&Kjapan勤務
私は高校の先生の紹介でCPAを知りました。先生はCPAの理念に非常に強い共感を抱いており、授業中によくCPAのお話をされていました。その後学校見学で授業中の教室へ案内して頂いたのですが、教室の空気が張り詰めており、入学したら厳しい環境に身を置くことが一目で分かりました。ついていけるかどうか非常に不安でしたが、校長先生の熱意あるお話を聞き、ぬるま湯につかるような道を進んではならないと思い、入学を決意しました。
CPAでは1日12時間以上の勉強を毎日続けるという非常に過酷な生活でしたが、友人や先生方に常に囲まれ、厳しくも楽しく勉強をすることが出来ました。志高い友人と勉強の方法や試験に対する姿勢など、色々な考え方を聞き、次第に自分なりの勉強スタイルを確立していくことが出来ました。日曜日も楽しそうに休日を過ごす人たちを横目に見ながら学校に通い、常に理論集を片手に生活をしていました。最後の1年は、働きながら2科目受験し勉強時間があまり取れませんでしたが、学生時代に知識を地固めしていたお陰で、2科目同時に合格することが出来ました。
一般的な税理士受験者は1年に1科目ずつ試験に挑戦することも多いですが、CPAでは2、3科目同時に税理士試験の受験をします。就職活動時の面接で面接官と受験経歴の話になり、3科目受験していたことをお話すると、「今時素晴らしい根性だ」とお褒めの言葉を頂き、30人程面接者がいた中で、私だけ入社が決まりました。現在は渋谷の税理士事務所で、「資産税課」という相続の仕事を扱う部署に所属しており、相続税申告や生前対策の業務を行う傍ら、法人の担当先も持っています。お客さんの会社や個人宅を訪問し、税務の話から身の上話まで、様々な話をお客さんとしています。税理士になってからは、税務相談会やセミナーに参加したりと、資格が必要とされる仕事も増えてきています。時には仕事後にお客さんと居酒屋に行ったり、お客さんの会社の忘年会に招いて頂いたりと、仕事以外での交流もあり、責任は重いですが非常に楽しい仕事です。
そして仕事をする上でもCPAの学びが役立っています。CPAでは個々の規定の取り扱いの趣旨や、規定が出来た背景などもしっかりと勉強します。実務では、教科書に書いてあるような型通りの取引でないことの方が多いですが、その際には、CPAで規定の趣旨や背景を勉強していたことが非常に役に立ちます。
最後に税理士を目指しているみなさん、私は「税理士」という資格をきっかけに、税理士でなければ出会うことが出来なかった人たちと、たくさん知り合うことができています。仕事では社外に出かけることも多く、様々な土地、様々な会社、様々な人を知ることができ、勉強になることがたくさんあります。「税理士」ということで、開業している税理士の先輩方をご紹介頂いたり、最近では、「士業交流会」にも参加し、弁護士や社会保険労務士など、他士業の方とも幅広い交流も持つことが出来ています。
皆さんの中には、自分なんかが税理士になれるのだろうか…と不安に思う人もいるかも知れません。私もそう思っていました。しかし、意欲さえあれば必ずなれます。今の努力が将来の自分を救うと信じて最後まで頑張って下さい。
無断転載・引用・リンク付けを禁じます。